ガンと鬱ときっと発達障害の狭間で、ため息の代わりに描く漫画。生きるのがつらいとき用の読み物・映画の紹介も。

Posts tagged "おすすめ本"
旧姓たちのゆくえ

旧姓たちのゆくえ

当方、ばっちりアラサーなのである。 つまるところ、周囲の友人たち・同僚たちはどんどん結婚していっている。 私は、何よりも、彼女らの苗字が変わることが、寂しい。 苗字というのは、別に生まれてきたその人の顔を踏まえて「こんなイメージ」と与えられるものではない。 でも、やっぱりその人の一部だと思う。 数えきれないほど呼ばれてきて、 数えきれないほど答案用紙やら申請用紙やらに書いてきたはずの、名前。 もし […]
ひさかたの大往生

ひさかたの大往生

おじいちゃん、今日、明日が山かもしれない、と母から連絡が入ったから病院に向かった。 「90年以上使ってきた心臓だから、仕方ないんです」と医師は話していたそうだ。それはそうだろう。私は納得する。 「およそ20歳代と思われる方にも年齢確認を実施する場合があります」と、近所のスーパーともコンビニとも言いがたい店は張り紙している。私は「完璧な」20代だから、なんらかのアルコールをレジに持っていっても、もう […]
排他的な人々を呪う排他的な私

排他的な人々を呪う排他的な私

  私がまだ10代だったころ、同級生に、お母さんかお父さんが外国の方だという友人がいました。友人は珍しい名前を持っていて、それは知的な響きで本人によく似合っていて、何度でも呼びたくなる音で、いいなあと私は思っていたのです。 ある日、「でも苗字がね、ちょっとA(友人)のイメージと違うんだよね」と私が言ったら、友人は「日本語の苗字は、本当の苗字じゃないからね」というような回答をして、曖昧に笑いました。 […]
憧れが人を大人にする

憧れが人を大人にする

以前ラジオで脚本家の北川悦吏子さんが 「憧れが社会を変えていく」という話をされていました。 『ビューティフルライフ』や 『オレンジデイズ』など、彼女のドラマには 障害を抱えるキャラクターがしばしば登場します。 ラジオでは、 北川さんご自身の難病と闘われた経験についても話されていました。 彼女が話されていたことは、たしかこんな内容でした。 「障害を持つ人を差別しないようにしよう」といっても あまり響 […]
豊かな人生ってなんだ?働くことから考える。

豊かな人生ってなんだ?働くことから考える。

母が末期がんを患っているということがわかってから、 私はちょっとした哲学者のように、生きることとはなんだろうと考え続け、 本やWebで色々なものを読んできました。 「豊かな人生とは、なんだろう」 「どうすれば、満足できるだろう、どんな人生だったら、満足したと思えるだろう」 「本当にこれは、我慢しないと生きていけないことなんだろうか?」 明確な答えが出たわけでは、ありません。 でも、いろんな考え方・ […]
人を愛し続けるのは難しい。でも、だから、できたらいいのにと思う

人を愛し続けるのは難しい。でも、だから、できたらいいのにと思う

坂口安吾の『堕落論』の中の「恋愛論」で、こんなことが書かれていました。 教訓には二つあって、先人がそのために失敗したから後人はそれをしてはならぬ、という 意味のものと、先人はそのために失敗し後人も失敗するにきまっているが、 さればといって、だからするなとはいえない性質のものと、二つである。 恋愛は後者に属するもので、所詮幻であり、永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、 それをするな、とはいい得 […]