gazou
母が末期がんを患っているということがわかってから、
私はちょっとした哲学者のように、生きることとはなんだろうと考え続け、
本やWebで色々なものを読んできました。
「豊かな人生とは、なんだろう」
「どうすれば、満足できるだろう、どんな人生だったら、満足したと思えるだろう」
「本当にこれは、我慢しないと生きていけないことなんだろうか?」

明確な答えが出たわけでは、ありません。
でも、いろんな考え方・働き方・生き方があることがわかりました。
選択肢がたくさんあることがわかったのは、
(生きていくのはまだまだ辛いけれど)ちょっとした収穫でした。

今回は本に絞って、「働き方」について考えさせられた作品を、ご紹介します。

 未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

ちきりんさんは、「Chikirinの日記」というブログを運営されている、ブロガーの方です。
このブログは、(本書の著者紹介から引用させていただけば)
「政治からビジネス、グローバリゼーションからキャリア論まで」扱われています。
ブログ同様に、ちきりんさんの「疑う力」と「シンプルなわかりやすい文章」がきらりと光るのが、この本です。

特に胸に刺さったのは、以下の箇所です。

多くの人が、今やりたいことを我慢してまで、とめどなく長生きの経済リスクに備えようとします。
しかしどんなに頑張っても、その不安が解消されることはありません。
そんな中、自分が心から楽しいと思える生活を封印し、
できるだけ節約して貯金を殖やしながら、今の仕事と生活をあと20年も続けるのが、
本当に唯一の、もしくはベストな選択肢なのでしょうか?

反対に私たちは、人生があと10年かもしれないというリスクには、どんな備えをしているのでしょう?
10年後に人生が終わるとしたら、
子どもに残してやりたいものは、十分なお金なのでしょうか?
自分がやっておきたいことは、今やっていることでしょうか?

私が高校3年生のとき、即ち受験生だったとき、
某有名予備校講師が
「将来のために、この1年くらい犠牲にしよう」と言っているのを聞いて
違和感を覚えたことを思い出しました。
高校生活はたった3年しかないのに、
その1年を犠牲にするなんて、どうしてできるだろう、と思ったのです。

でも仕事については、
「リスクがあるかもしれないけど、一番関心のある選択」ではなく
「安定している、ベターな選択」を、している。
なんだろう、一番好きな人とは結婚しない・・・ような。
今じゃなくて、「将来の」ために。
でも、ずっと将来のことを考えていたら、
「今」の私は、いつも見過ごされることになる。

今の仕事には愛着があります。とても楽しいと思える、瞬間もあります。
だから、「犠牲」だとは思わない。

でも、いつか挑戦したいと思うことは、他にもあった。
そうだった、老後にやろうと思っているその「老後」、
絶対来るとは、限らないのだった。

ちきりんさんの本を読んで、
何が本当の「リスク」なのか、考え直しました。

ワークライフスタイリストの宮本佳実さんも、
著書『可愛いままで年収1000万円』(スパッとしたタイトルで好きです)の中で、
こう書かれています。

今日のあなただって、今までのあなたが選択し、
「決めて」きたことの繰り返しで作られています。
未来のあなたも、これからあなたが選択するもの、
「決める」ものの積み重ねで作り上げられていくのです。
そう思うと、人生は思った通りなのです。

月3万円ビジネス

早速、前書きから引用してみます。

「月3万円ビジネス」というのは、月に3万円しか稼げないビジネスのことです。
いいことしかテーマにしません。
このビジネスはたくさん有ります。
なにしろ月に3万円しか稼げないので、脂ぎったオジサンは見向きもしません。
つまり、競争から外れたところにあるビジネスです。だから、たくさん有るのです。

「月3万円では暮らせないぞ!」と思うかもしれません。
ならば「月3万円ビジネスを10個」というのはどうでしょうか。月30万円の収入になります。
支出が少ない生活を愉しむことを重ねれば、
「月3万円ビジネスを5個」でもお釣りがくるかもしれません。

「支出の少ない生活スタイル」という項目で、藤村さんはこうも書かれています。

「支出が少ない生活スタイル」というのは、とても大切なことです。
だから、暇な時間をたくさん作り、
その時間を「支出を少なくする」ことに充てます。
野菜や穀物を作ったり、エネルギーを作ったりします。
一人でできなければ仲間と作ります。仲間がいれば家だって作れます。
衣・食・住・エネルギー・医療・情報・娯楽・教育・交通の
9つのカテゴリーと年金・税金が支出の全てです。
これらを減らすことは、実はそれほど難しくありません。
難しいのは、それを愉しくやることです。
愉しくできないと、別な娯楽が必要になって、
そっちにお金と時間が逃げてしまいます。

この本は「ビジネス」をタイトルに入れていますが、
そこに留まらず、生活全般を見直すことを推奨していること、
これらの文章から感じていただけるかと思います
(個人的には、「別な娯楽」は生活が充実していたからといって
不要になるものではないような気もしてはいるのですが)。

この本の根底にあるのは、
「今まで外注していたことを、もう一度自分(たち)の手に取り戻したら
面倒かもしれないけど、楽しいのではないか」という価値観であるように思います。
でも、ただ昔に立ち返るだけではありません。
楽しくて、かっこいい。環境にも人にも優しいけど、おしゃれ。
だから魅力的です。

「自分にできる仕事はすごく少ないと思っていたけれど、
難しくとらえすぎていたのかも?」
「今の仕事が手放せないような気がしていたのは、
色々なことを外注して、その分お金を払っているからかも?
自分でできることをするようにしたら、今ほどお金は必要ないのかも?」
「何十年も働き続けていくことは憂鬱だったけれど、
仕事はもっとご機嫌に、軽やかにできることなのかも?」

今まで呪いのように抱えていた思い込みをふわっと取り去って、
様々な可能性を示してくれる本です。
全面的に「自給自足」の生活は難しいかもしれないけれど、
少しずつ、自分でできることを自分でしていきたい、と考えました。

ビジネスの種として読んでわくわくするのは、
以下の続編「月3万円ビジネス 100の実例」の方かもしれません。

ガーデニングが好きな家の方と、花を見るのが好きな方をつなぐ、
「フラワー・シスターズ」
おばあちゃんの手編みの帽子やマフラーを、
おばあちゃんの写真とプロフィールを添えて販売する
「ゴールデン・フック」などなど。

ほっこりしてわくわくする、素敵なアイデアが満載です。

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