2nじゃない人のためのエアポケット
私は、大学の2回目の卒業パーティーに、行かなかった。 やや変則的なカリキュラムに従っていた私は、学部を卒業した次の年に修士課程を終えた。そんなわけで、2年連続で卒業式に出た。 2回目の卒業式のとき、同じ年に学部生になった人のうち、留学や留年でストレートより1年遅れて卒業する人たちで卒業パーティをする、という話を聞いた。出席していれば私にとって2回目の卒業パーティだったけれど、親切な人が誘ってくれた […]
額縁に入れたい刹那
お気に入りのシーンがある物語は、それだけで読んだり観たりした意味があると、私は考えています。 最近、人生って案外、「お気に入りのシーンを集める作業」なのかなって、思ったりするから。 自分が経験したことでも、人から聞いたことでも、疑似体験したことでもいい。 夜の大学で、体育館が、まるで巨大なウーパールーパーでも幽閉しているかのように白く、ぼんやり光っていたこと。 旅行から帰ってきて、一人暮らしの借り […]
いいじゃないか、つくりものの世界ならどれだけめちゃくちゃに壊したって
決して穏やか、とは形容しがたい性格を持つ友人と、彼女行きつけの割烹で飲んでいたとき(私は同じ年で行きつけの割烹がある人を他に知らない)、彼女は、山羊のキャラクターを操作して家も畑も街も好きなだけめちゃくちゃにすることのできるゲームがあるのだと教えてくれた。 彼女がコントロールする山羊が、テーブルや椅子やにんじんやきゃべつや、何かの集会をめちゃくちゃにしても、彼女は毎日通勤電車に乗って、二人しか社員 […]
排他的な人々を呪う排他的な私
私がまだ10代だったころ、同級生に、お母さんかお父さんが外国の方だという友人がいました。友人は珍しい名前を持っていて、それは知的な響きで本人によく似合っていて、何度でも呼びたくなる音で、いいなあと私は思っていたのです。 ある日、「でも苗字がね、ちょっとA(友人)のイメージと違うんだよね」と私が言ったら、友人は「日本語の苗字は、本当の苗字じゃないからね」というような回答をして、曖昧に笑いました。 […]
ははまんが118:新出語句
この窓口は、どちらかというと警察や救急車の手配について相談するためのものでした。 この時期の我々家族は、とにかく入院させるという選択肢ばっかりを考えていて 「では緊急入院ではどうだろう」と考えて、質問をしてみたのでした。 (私の質問の要領を得なさ&同居していない家族なのに問い合わせてくるという わけのわからなさからだと思いますが、ここでもやや冷たくあしらわれ 私はこの日世の中が大っ嫌いだと思いまし […]
ははまんが117:たどりつけない最後の砦
東京都が紹介している「いのちの電話」とそれに類似するサービス(というのが適切かわかりませんが・・・)は 私が電話をかけたその日、5か所くらいありました。 何度かかけてみたのですが、どこにもつながりませんでした。 (「いのちの電話」で検索しようとすると、予測で出てくるキーワードが「つながらない」なので きっとこれはこの日に限ったことではないのでしょう) 自分が、これから命を絶とうとしている当人だった […]
忘れられてもなくならない、子どもの私は、ずっと。
かつて、職場の同僚に「過去に戻りたいと思うことはある?」と聞かれたことがあります。 母が病気でなかった頃には戻りたい気持ちもありますが、基本的には私、「戻りたくない」派です。 今の自分が、私の人生史上一番いろいろ知っていると思うから。 とりわけ、小学生の頃にはまったく戻りたくありません。 見た目のだささ。内面の残酷さ。つまらないことでしかつながりを確かめられない友人関係。 今だって決して聖人ではな […]
ははまんが116:爆発を止めるには
なんだかこの漫画だけやけに大きく表示されるような・・・気のせいかな。 とても肉厚で柔らかそうに見えますが、4コマ目の左の絵ははさみです。 鬱病であった方の書いたものを、一時期ネットでいろいろ読んでいたのですが、 その中に「精神病院に入院できて私は良かった。凶器になるようなものが隠されていたから」と 書いている方がいました。 必要以上の食べ物を家に置かないのが一番のダイエットの方法だと 私は思ってい […]
ははまんが115:慌てる力
もはや月1更新の様相を呈してまいりましたが、細々と続けてまいります。 このとき私は駅にいました。 温かい人なら、すぐに実家にとんぼ返りしたりするのでしょう。 それができなかったから、私も人として大事なものが欠けているのかもしれないなあと思います。 ===ブログランキングに参加しています=== ハイパースロー更新にも関わらず、漫画を読んでいただき、ありがとうございます^^ 下の四角いバナーをクリック […]