ガンと鬱ときっと発達障害の狭間で、ため息の代わりに描く漫画。生きるのがつらいとき用の読み物・映画の紹介も。

Posts tagged "おすすめ漫画"

休み休みつらくてもいいじゃんか:『岡崎に捧ぐ』

私は、私だけがつらいと思いたい。 他の誰よりも私がつらいと信じたい。 私のつらさについて話してもどうせわかってもらえないから(というか、向こうが「わかるよ」というのがいまいち信用できないから)人に話したくはないけど(というか話してはいて、その度に「やっぱりだめだった!」と敗れ続けているけど)、なんか、寄り添ってもらった、って実感がほしい。 …というときに読むべき漫画が『岡崎に捧ぐ』である。 昔、妹 […]

仲良しじゃない人と共有する、輝く時間について:『ハレ婚。』

「非イスラム教徒の日本の人が、一夫多妻制度をやったらどうなるんだろうなあ」とは、やっぱり考えるのであって、そんな思考実験を漫画にしてくれている(たぶん)のが、『ハレ婚。』である。 家族について考えさせられる作品だということで読み始めたのだが、読み進めるうちに共通するものがあるとひらめいたのは、意外にも、『SLAM DUNK』だった。 私の人生の目標として、私のことをいいと思ってくれる人とばっかり付 […]

無臭の恋人を抱き締める:『青野くんに触りたいから死にたい』レビュー

あれほど、物語で容易に人を殺すなと言っただろう。どうして冒頭で早速青野くんは死んでしまうのか。なんで恋人ができて2週間で、交通事故なんかで死んでしまうのか。どうして彼女にとっては初めての彼氏なのに、死んでしまうのか。私は怒っている。 青野くんはこの世に留まり、引き続き優里ちゃんと恋人の時間を楽しもうとする。一緒に歌ったり、家で映画を観たりする。じゃあいいじゃん、めでたしめでたし…とは、ならないよう […]
旧姓たちのゆくえ

旧姓たちのゆくえ

当方、ばっちりアラサーなのである。 つまるところ、周囲の友人たち・同僚たちはどんどん結婚していっている。 私は、何よりも、彼女らの苗字が変わることが、寂しい。 苗字というのは、別に生まれてきたその人の顔を踏まえて「こんなイメージ」と与えられるものではない。 でも、やっぱりその人の一部だと思う。 数えきれないほど呼ばれてきて、 数えきれないほど答案用紙やら申請用紙やらに書いてきたはずの、名前。 もし […]
忘れられてもなくならない、子どもの私は、ずっと。

忘れられてもなくならない、子どもの私は、ずっと。

かつて、職場の同僚に「過去に戻りたいと思うことはある?」と聞かれたことがあります。 母が病気でなかった頃には戻りたい気持ちもありますが、基本的には私、「戻りたくない」派です。 今の自分が、私の人生史上一番いろいろ知っていると思うから。 とりわけ、小学生の頃にはまったく戻りたくありません。 見た目のだささ。内面の残酷さ。つまらないことでしかつながりを確かめられない友人関係。 今だって決して聖人ではな […]
「左ききのエレン」:がんばったで賞のない世界で、ノースポーの私たちは。

「左ききのエレン」:がんばったで賞のない世界で、ノースポーの私たちは。

自分の漫画もがしがし投稿しなくては!なのですが、cakesで連載中の漫画「左ききのエレン」がHOTなので、ごり押しレビュー(レビューなの?)を。 友人知人に薦めまくってもみんな読んでくれないので、「インターネットの波に流したろ!」と思い、キーボードを叩いている次第です。 漫画を読んでくださっている貴重な皆様でしたらご存知の通り、 私の「スイッチ押して死ねるなら死にたい」モードは継続中。 そんな中毎 […]
憧れが人を大人にする

憧れが人を大人にする

以前ラジオで脚本家の北川悦吏子さんが 「憧れが社会を変えていく」という話をされていました。 『ビューティフルライフ』や 『オレンジデイズ』など、彼女のドラマには 障害を抱えるキャラクターがしばしば登場します。 ラジオでは、 北川さんご自身の難病と闘われた経験についても話されていました。 彼女が話されていたことは、たしかこんな内容でした。 「障害を持つ人を差別しないようにしよう」といっても あまり響 […]