ガンと鬱ときっと発達障害の狭間で、ため息の代わりに描く漫画。生きるのがつらいとき用の読み物・映画の紹介も。

Posts tagged "おすすめ映画"
いつ気づいた?大人だって:ラースとその彼女

いつ気づいた?大人だって:ラースとその彼女

主演ライアン・ゴズリングの話題作、「ララランド」のDVDが出たからでしょうか、 某ネット動画視聴サービス31日間無料視聴期間中にずっと観たかったこの映画が追加されていたので、 光の速さで観ました。 最初はうふふと一人の部屋で笑っておりましたけれど、途中で「ラース・・・」とぼたぼた涙し ふわーと幸せな気持ちに包まれて終わりました。愛にあふれた素晴らしい映画! ということで、熱の冷めやらぬうちにレビュ […]
フリーズドライド役人譚

フリーズドライド役人譚

私は、準公務員的な性質を帯びている仕事をしているのだけど、しばしば初対面の人に妬み混じりの羨望をぶつけられる。 「あれですか、17時になったら即退社って感じですか」。 その、業務終了時間で大変さをはかろうという感覚が、もう、嫌だ。大変だから偉いという価値観が生き生きしている感じも、嫌だ。 「アンチお役人」派閥の台頭を許しているのは、そのステレオタイプを助長するフィクションだと思う。今日紹介する「生 […]
2nじゃない人のためのエアポケット

2nじゃない人のためのエアポケット

私は、大学の2回目の卒業パーティーに、行かなかった。 やや変則的なカリキュラムに従っていた私は、学部を卒業した次の年に修士課程を終えた。そんなわけで、2年連続で卒業式に出た。 2回目の卒業式のとき、同じ年に学部生になった人のうち、留学や留年でストレートより1年遅れて卒業する人たちで卒業パーティをする、という話を聞いた。出席していれば私にとって2回目の卒業パーティだったけれど、親切な人が誘ってくれた […]
額縁に入れたい刹那

額縁に入れたい刹那

お気に入りのシーンがある物語は、それだけで読んだり観たりした意味があると、私は考えています。 最近、人生って案外、「お気に入りのシーンを集める作業」なのかなって、思ったりするから。 自分が経験したことでも、人から聞いたことでも、疑似体験したことでもいい。 夜の大学で、体育館が、まるで巨大なウーパールーパーでも幽閉しているかのように白く、ぼんやり光っていたこと。 旅行から帰ってきて、一人暮らしの借り […]
いいじゃないか、つくりものの世界ならどれだけめちゃくちゃに壊したって

いいじゃないか、つくりものの世界ならどれだけめちゃくちゃに壊したって

決して穏やか、とは形容しがたい性格を持つ友人と、彼女行きつけの割烹で飲んでいたとき(私は同じ年で行きつけの割烹がある人を他に知らない)、彼女は、山羊のキャラクターを操作して家も畑も街も好きなだけめちゃくちゃにすることのできるゲームがあるのだと教えてくれた。 彼女がコントロールする山羊が、テーブルや椅子やにんじんやきゃべつや、何かの集会をめちゃくちゃにしても、彼女は毎日通勤電車に乗って、二人しか社員 […]
排他的な人々を呪う排他的な私

排他的な人々を呪う排他的な私

  私がまだ10代だったころ、同級生に、お母さんかお父さんが外国の方だという友人がいました。友人は珍しい名前を持っていて、それは知的な響きで本人によく似合っていて、何度でも呼びたくなる音で、いいなあと私は思っていたのです。 ある日、「でも苗字がね、ちょっとA(友人)のイメージと違うんだよね」と私が言ったら、友人は「日本語の苗字は、本当の苗字じゃないからね」というような回答をして、曖昧に笑いました。 […]
忘れられてもなくならない、子どもの私は、ずっと。

忘れられてもなくならない、子どもの私は、ずっと。

かつて、職場の同僚に「過去に戻りたいと思うことはある?」と聞かれたことがあります。 母が病気でなかった頃には戻りたい気持ちもありますが、基本的には私、「戻りたくない」派です。 今の自分が、私の人生史上一番いろいろ知っていると思うから。 とりわけ、小学生の頃にはまったく戻りたくありません。 見た目のだささ。内面の残酷さ。つまらないことでしかつながりを確かめられない友人関係。 今だって決して聖人ではな […]
カヨちゃんの百円の恋のむきだし

カヨちゃんの百円の恋のむきだし

このサイトではおすすめ読み物とおすすめ映画を 「気分から」引けるようにしたいなあと思っているんですが、 早速コンセプトから大きく外れて、今日は同じ女優さん縛りで、 映画3本を紹介します。 件の女優さんは・・・安藤サクラさん。 私、演技のうまい下手はよくわからないのですが、 彼女の存在感にはいつも驚きます。 彼女がいなかったら、この映画はまったく違うものになるんだろうなあ、というのは ど素人の私にも […]
人を愛し続けるのは難しい。でも、だから、できたらいいのにと思う

人を愛し続けるのは難しい。でも、だから、できたらいいのにと思う

坂口安吾の『堕落論』の中の「恋愛論」で、こんなことが書かれていました。 教訓には二つあって、先人がそのために失敗したから後人はそれをしてはならぬ、という 意味のものと、先人はそのために失敗し後人も失敗するにきまっているが、 さればといって、だからするなとはいえない性質のものと、二つである。 恋愛は後者に属するもので、所詮幻であり、永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、 それをするな、とはいい得 […]