いつもはテーマに沿って映画を紹介しているのですが、
どうしても!どうしてもこれは単体で今書いておきたい…!
ということで、『ラ・ラ・ランド』ウォッチング記録です。
私、映画を公開日に観る趣味は別にないのです。
しかし、朝の時間のお供J-WAVEが、何度も何度も劇中の曲をかけるから。この曲がすごく好きになってしまいまして、どんなシーンで使われるのかが知りたくなって。公開日に予約までして、観てしまいました。
あんまり期待度をあげすぎてしまうと、それなりに良かった映画でも楽しめなかったりするものですが、この映画は違います。どーんと期待して大丈夫です。大満足。というか、大好きです!愛しい映画、というべきか。
あちこちで話が出ていますが念のためストーリー概要を書いておきます。
ミア(エマ・ストーン)は、様々なオーディションに挑戦するも箸にも棒にもかからない、売れない女優。
腐った気持ちでパーティを抜けてきたある夜、同じく売れないジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)に出会う。
最初は、互いに「あんたなんか、恋愛対象外」だと言い合っていた二人。
でも大好きなもの、夢見るものの話をしているうちに、どんどん距離が縮まっていきます。
交際し始める二人。幸せな日々。でも、現実は厳しい。
セブは、安定した収入を得ることをミアが望んでいると考えて、「食べるため」のピアノを弾くようになる。ミアは、セブに背中を押されて一人芝居を自作自演するも、舞台裏で誰かの酷評を聞いてしまう。
夢を追うのは愚かなのか?やっぱり自分には才能がないんだろうか。路線を変えて、大人にならないといけないのか…?
こんな話です(ざっくり)。
さて、ここからは好きなポイントについて書きます。
まず、オープニングが好きです。大好きです。
これを聴きたくて来た!曲が、出し惜しみなど微塵もなく、どーんと冒頭から使われます。スカートがめくれてパンツが見えようが、歌い踊る人々。
歌詞が素敵で、このオープニングで私は既に泣いていました。主人公じゃない人の歌で幕が上がるのもいい。一人一人の人生への、讃歌みたいなオープニングです。
それから、人生の中の、分かれ道への暖かい眼差しがあるところが、たまらなく好きです。
行ってみたら、誰かに会えるかもよ?
と歌に乗せられてパーティに参加する、ミア。
結局そこでは新しい出会いはなかったけれど、そのあとたまたま開いたドアの先で、セブと出会う。
セブはたまたま旧友に会ったから、「食べるための」ピアノを弾く道に、歩みを進めることになる。
そして、映画の最後。明るいオープニングからは想像できなかった、しっとりと苦いけど、味わい深い、ラスト。観ている誰もが、それぞれの人生のなかで選ばれなかった選択肢のことを思い出してしまうのではないでしょうか。
私たちの人生には無数の分かれ道が用意されているけど、全部に進んでみることは、できない。でも開けなかったドアがあるから、人は思いを深めるし、人生が濃密なものになるのかも、なんて考えたりしました。
あと、色合いが素敵とかテンポがよい(特に季節が変わるところ)とか、この人の切ない顔はなんでこんなに胸を打つんでしょうのライアン・ゴズリングとか、エマ・ストーンの歌の生き物感!とか(空気が含まれている感じがいい)、好きなポイントは枚挙にいとまがありません。
これまたラジオの話で恐縮ですが、TBSラジオの、たしか『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』の中で、「このご時世、歌って踊ってのラブストーリーをアカデミー賞がんがん受賞させていいのか、という向きもあるから、前評ほど各賞総なめにはならないかもしれない」という話がありました。
こんなご時世だから、私はこの映画が各賞総なめであってほしい、と祈っています。
全然違う文化の下で育った人がつくったものでこんなに感動するって、希望だと思うのです。
小難しいことは抜きにしても、眼福で耳福(?)な素敵な映画です。超!おすすめです!
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